| 比較項目 | 技能実習 | 育成就労 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|---|---|
| 制度の目的 | 技能の開発途上国への移転(国際貢献) | 人材育成 + 人手不足分野の人材確保 | 即戦力となる外国人材の受入れ | 熟練した技能を持つ外国人材の受入れ |
| 根拠法 | 技能実習法(外国人技能実習機構が管轄) | 育成就労法(外国人育成就労機構が管轄) | 出入国管理及び難民認定法(出入国在留管理庁が管轄) | |
| 在留期間 | 最長5年(1号1年+2号2年+3号2年) | 原則3年 | 通算5年以内(1回最長3年) | 上限なし(更新制) |
| 受け入れ形態 | 企業単独型 / 団体監理型 | 単独型 / 監理型 | 直接雇用(労働者派遣は農業等一部を除き不可) | |
| 転籍(転職) | 原則不可(やむを得ない事情のみ例外) | 条件付き可(分野ごとの制限期間経過後、試験合格が必要) | 可(在留資格変更許可が必要) | 可(在留資格変更許可が必要) |
| 家族帯同 | 不可 | 不可 | 不可 | 可(配偶者・子) |
| 永住許可 | 対象外 | 対象外 | 対象外 | 要件を満たせば申請可 |
| 技能水準の確認 | 技能実習評価試験(段階ごと) | 育成就労評価試験(初級・専門級)または技能検定3級 | 特定技能1号評価試験(分野ごと)+ 日本語試験 | 特定技能2号評価試験(分野ごと) |
| 主な監督機関 | 外国人技能実習機構(OTIT) | 外国人育成就労機構 | 出入国在留管理庁(各地方局) | |
| 開始年 | 1993年(現行制度は2017年) | 2027年4月(予定) | 2019年4月 | |
技能実習制度の運用要領には、制度の趣旨として「我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、その開発途上地域等の経済発展を担う『人づくり』に協力することを目的とする制度」と明記されています。
重要なのは、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない」(技能実習法第3条第2項)という原則です。つまり、建前上は人材不足を補うための制度ではないとされていました。しかし実態としては労働力補充の手段として使われているとの批判が長年続いており、それが制度改正の大きな理由の一つとなっています。
育成就労制度の運用要領は、制度の目的を「育成就労産業分野において、我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的」と定めています。
技能実習とは異なり、人材確保と人材育成の両立を正面から掲げています。技能実習制度が「発展的に解消」され、特定技能制度との連続性を持つ制度として設計されています。
特定技能の運用要領は、「中小・小規模事業者をはじめとした人手不足は深刻化しており、我が国の経済・社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきている」ことを背景に、「一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築することが求められている」と説明しています。人材不足への対応を目的として創設された最も率直な制度です。
受け入れる企業にとって最も気になる点の一つが「転籍(転職)の可否」です。三つの制度でルールが大きく異なります。
技能実習制度では、技能実習生が別の実習先に移る「転籍」は原則として認められていません。例外が認められるのは、実習実施者の倒産・整理解雇、暴行・脅迫などの人権侵害行為、雇用契約の重大な違反といった「やむを得ない事情」がある場合に限られます。
この転籍制限が外国人技能実習生の「逃げられない」状況を生み出し、劣悪な労働環境の温床になったという批判が強く、制度改正の主な論点となりました。
育成就労制度では、一定の条件を満たせば本人の意向による転籍が可能になりました。これが技能実習との最大の違いの一つです。
なお、やむを得ない事情(実習継続が困難な場合、雇用契約の重大な違反、人権侵害行為、法令違反等)がある場合は、上記の制限期間や試験合格の条件を問わず転籍が認められます。
なお、育成就労の運用要領では、本人の意向による転籍に際して、監理支援機関・外国人育成就労機構・ハローワーク・地方運輸局以外の者が行う職業紹介(民間の職業紹介会社など)を利用した場合、転籍が認められないことが明記されています。転籍のマッチングは公的な機関を通じて行うことが求められており、営利目的の民間仲介業者の介入は制度上認められていません。
特定技能では、同じ特定産業分野内であれば比較的自由に転職できます。ただし、転職先の特定技能所属機関を変更する場合や特定産業分野を変更する場合は、在留資格変更許可を受ける必要があります。また、変更申請中は転職先での就労活動は認められません。
| 制度 | 配偶者・子の帯同 | 備考 |
|---|---|---|
| 技能実習 | 不可 | 技能実習の趣旨(技能習得・移転)に反するため認められない |
| 育成就労 | 不可 | 育成就労期間中は原則として家族帯同は認められない |
| 特定技能1号 | 不可 | 在留期間の上限(通算5年)があることから家族帯同は認められない |
| 特定技能2号 | 可(配偶者・子) | 「家族滞在」の在留資格で配偶者・子の帯同が可能。更新制のため長期就労が可能なことが前提 |
外国人労働者の定着や生活の安定を図る観点から、家族帯同が認められるかどうかは非常に重要な点です。家族を連れて日本で長期的に暮らすことを希望する外国人にとっては、特定技能2号が現実的な選択肢となります。
技能実習・育成就労・特定技能は、それぞれ独立した制度ですが、「移行ルート」として連続性があります。
三つの制度には以下のような特徴があり、企業の状況や外国人材に求めるものによって選択が変わります。
各制度の詳細な要件や手続きは複雑です。受け入れを検討されている方はぜひ一度、専門家にご相談ください。